特殊仕訳

英:Special G/L

 

特殊仕訳とは、債権管理と債務管理の特殊な仕訳であり、得意先、仕入先マスタに登録されている統制勘定以外の統制勘定を使用する機能のことです。

企業間の取引においては、通常は売買の際には売掛金、買掛金を仕分けます。しかし、単純に売掛や買掛を計上するのではなく、前受金・前払金や受取手形・支払手形の仕訳が必要となるケースがあります。
特殊仕訳処理で登録される取引は、特殊仕訳取引と呼び、特殊仕訳取引特殊仕訳取引タイプで分類されます。
どんな特殊仕訳なのかを示すのは特殊仕訳コードとなります。

カスタマイズ

  1. TrCD:FBKPもしくはOBXYで特殊仕訳コードを定義
  2. TrCD:OB41で特殊仕訳取引用の転記キーを定義

マスタ

特殊仕訳機能の前提としては、勘定マスタで対象の統制勘定代替統制勘定を設定しておく必要があります。

伝票登録

特殊仕訳取引の伝票を登録するには、標準はさまざまなトランザクションコードが用意されております。

  • FB01
  • F-37 – 前受金請求
  • F-29 – 前受金転記
  • F-39 – 前受金消込
  • F-28 – 入金転記
  • F-47 – 前払金請求
  • F-48 – 前払金転記
  • F-54 – 前払金消込
  • F-53 – 支払転記

情報処理

  • TrCd:FBL1N(仕入先詳細照会)で特殊仕訳取引のみの債務明細を指定して照会可能
  • TrCd:FBL5N(得意先詳細照会)で特殊仕訳取引のみの債権明細を指定して照会可能

トランザクション

Tr-CD機能説明
FBKP財務会計システム設定特殊仕訳コードのカスタマイズ機能を含めている
OBXY/SPRO(※1)財務会計システム設定:特殊仕訳特殊仕訳コードの定義を行う
OB41/SPRO(※2)財務システム設定:転記キー特殊仕訳取引用の転記キーに該当フラグを設定する必要
FBL1N仕入先詳細照会特殊仕訳取引のみの債務明細を指定して照会可能
FBL5N得意先詳細照会特殊仕訳取引のみの債権明細を指定して照会可能

SPROを利用する場合

IMGパス
※1財務会計→債権管理及び債務管理→会計トランザクション→代替統制勘定による転記→他特殊仕訳→定義:得意先用の代替統制勘定
財務会計→債権管理及び債務管理→会計トランザクション→代替統制勘定による転記→他特殊仕訳→定義:仕入先用の代替統制勘定
※2財務会計→財務会計共通→伝票→定義:転記キー

テーブル

ID名称説明
T074特殊仕訳勘定特殊仕訳コードの勘定割当情報(統制勘定/代替統制勘定)を格納
T074A特殊仕訳取引タイプ名特殊仕訳タイプの名称情報を格納
T074U特殊仕訳コードプロパティ特殊仕訳コードの特殊仕訳タイプなどのプロパティ値情報を格納
TBSL転記キ特殊仕訳取引用フラグ項目(XSONU)を持つ
ACDOCAUniversal Journal Entry Line Items特殊仕訳コードの項目(UMSKZ)、特殊仕訳タイプの項目(UMSKS)をそれぞれ持つ
BSEG会計伝票明細特殊仕訳コードの項目(UMSKZ)、特殊仕訳タイプの項目(UMSKS)をそれぞれ持つ
BSIDAcctg: Secondary Index for Customers特殊仕訳コードの項目(UMSKZ)、特殊仕訳タイプの項目(UMSKS)をそれぞれ持つ
BSIKAcctg: Secondary Index for Vendors特殊仕訳コードの項目(UMSKZ)、特殊仕訳タイプの項目(UMSKS)をそれぞれ持つ
BSADAcctg: Index for Customers (Clrd Items)特殊仕訳コードの項目(UMSKZ)、特殊仕訳タイプの項目(UMSKS)をそれぞれ持つ
BSAKAcctg: Index for Vendors (Clrd Items)特殊仕訳コードの項目(UMSKZ)、特殊仕訳タイプの項目(UMSKS)をそれぞれ持つ